包茎についてよくお母さんよりご相談を受けます。多くは周囲のお母さんより「包茎は皮をむいたほうがいいよ」と言われるけど方法がわからないとか、実際やったら皮が切れて出血したとかです。個人的には下記の①のようなことが無ければ様子を見ておいていいですよ、ただし、気になるようだったらお母さんが独自の判断でやるのではなく、専門の先生(泌尿器科)に指導してもらってくださいとお話しています。ただ、自分自身も専門でなく、今一つ説明責任(この頃よく聞く言葉ですが)がはたせていない感がぬぐえないので、今一度勉強しなおしてみることとしました(遅~い・・・?)。
包茎については思春期ごろには多くが仮性包茎の状態になるといわれていますので、小児期は原則として経過観察で可能です。ただし、次のような場合の真性包茎に関しては治療が必要となります。
①排尿時に包皮が風船状にふくらむ、排尿障害がある(尿線が細い、横に飛ぶ、散乱するなど)。
②亀頭包皮炎を繰りかえす。
③尿路感染症の既往や膀胱尿管逆流症がある。
④小学生で特に症状はないが、包皮口が5円硬貨の穴より小さい、本人または親が気になり治療の希望がある。
治療について
多くの場合手術は必要なく、用手翻転法とステロイド軟膏外用を組み合わせた保存的治療となります。翻転の方法は、包皮を指で陰茎の根元の方向に引っ張ってめくるようにし、それと同時に、包皮口に少量の軟膏を塗ります。包皮は痛がらない程度に引っ張り、包皮口をなるべく広げるようにします。軟膏は内側にすり込むようにします。これを毎日1~2回行います。これにより大部分が、1ヶ月ほどで仮性包茎の状態となります。包皮と亀頭の癒着が部分的に残ることがありますが、包皮口が開いていれば放置可です。完全に翻転できるようになったら外用剤は中止しますが、翻転だけは当分の間、数日に1回は続けるようにします。ただし、翻転した包皮はそのままにしておかないで、その都度戻すようにします(亀頭をしめつけてむくみや痛みがでてくる事があるため)。治療中止(仮性包茎程度になれば中止可)後に包皮口が狭くなることがありますが、その場合は再度同じことを行います。
再度調べて直してみて「無理はしない」「これを読んで自分でするのには不安があると思ったら専門の先生(泌尿器科)に相談する」ことが重要だと個人的には思います。