今、日本中、ノロウイルスによる胃腸炎が流行しており話題のテレビでも見ない日はない状況となっています。ただ、現時点では当院に関していえば以前より少し減少傾向かという感じになっています。
今当院では、RSウイルス感染症による気管支炎が増加してきてますので、この病気について。
RSウィルスは呼吸器感染症の原因ウィルスの一つで細気管支炎、喘息様気管支炎などを引き起こし、月齢の低い乳児では症状の重くなる場合があります。潜伏期間は5日前後で、発症後の1週間程度は鼻汁や痰の中にウィルスが存在し、ウィルスの付着しているものとの接触や、鼻や目の粘膜からウィルスが浸入して感染します。症状としては、咳、鼻汁などが2~3日続いた後、喘鳴、多呼吸、陥没呼吸などの症状や発熱が出現します。1歳頃まででは細気管支炎、それ以上の年齢では喘鳴様気管支炎を発症します。特に3ヶ月未満の乳児では、無呼吸発作を起こすことがあり、人工呼吸器管理が必要になることがあります。通常は5日~3週間ほどで快方に向かいます。
当院では鼻汁検査にて診断可能ですが、すでに数人みられ、中には入院されている方もいます。印象としては2歳前後の患者さんが多いようで、発熱、喘鳴を伴い、経過が長引く傾向があるようです。
治療としては、ウイルスによる感染症であるため、対症療法となります。一番問題となる喘鳴に関しては、喘息に準じた治療が行われることが多いですが、年齢の小さい児がかかることが多くまた経過が長引く傾向があるため、治療に難渋することが多いのが現実です。