愛知県春日井市の小児科・アレルギー科

病気の話

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RSウイルス感染症

症状

RSVの症状は軽症の感冒様症状から重症の細気管支炎や肺炎などの下気道疾患に至るまで様々です。
潜伏期は2〜8日で、発熱、鼻汁、咳が出現します。症状のうち最も注意を要するのは咳で、夜間の眠れないほどの咳や喘鳴、陥没呼吸、呼吸困難がみられる場合には早めの受診が必要です。酸素飽和度が低下する場合には入院が必要となります。

治療・予防
治療は基本的には対症療法となります。酸素飽和度低い場合には入院加療が必要となります。

手足口病

手足口病は、手のひら・指・ひじ・足の裏・ひざ・おしりに水疱性の発疹、口腔内に口内炎や発赤が現れます。手のひら、足の裏の水疱はしわに沿って細長いのが特徴です。発疹は時にかゆみを伴いますが、5~6日ほどで消失します。口内炎ため水分摂取量の低下や食欲低下がみられることがあり、脱水症になることもあります。3割ほどの症例に発熱がみられますが、3日ほどで下がります。まれに原因となるウイルスにより髄膜炎などの合併症があるので、経過中発熱・嘔吐・頭痛には注意が必要です(当院では年に1人くらい出ます)。
感染経路は咽頭分泌物に含まれるウイルスの飛沫感染(空気感染)か、便に排泄されたウイルスの経口感染で、潜伏期間は3~5日ほどです。
治療に関しては、ウイルスのため特効薬はなく、治療は対症的に行います。口内炎のため食欲の低下が見られることがありますので、無理をせず水分のみでもいいですのでしっかり与えてください。 発熱で元気がないときには解熱の内服や坐薬を使用してもかまいません。
出席停止期間に関しては、学校伝染病第3種に分類されていますが、出席停止期間についての明確な規定はありません。感染が最も強いのは急性期ですが、回復後も長期(2~4週)にわたり便からウイルスが排出されるため、急性期のみ出席を停止しても他の人にうつす可能性があると言われています(日本小児科学会の見解)。登校および登園に関しては、当院では発疹が消失してからということにさせていただいています。
こんな時注意! (早め受診してください!)

  • 発熱・嘔吐・頭痛が見られる場合(髄膜炎の可能性)
  • 水分がとれない(脱水になる可能性)

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、手足口病や咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症、プール熱)と同様、主に夏季に流行するウイルス性の病気で夏風邪症候群とも呼ばれます(最近では夏だけではないのでこの言葉はほとんど死語?)。
潜伏期間は2~4日ほどです。症状は発熱、のどの痛み、食欲減少、水分摂取の減少が見られます。発熱は平均2~4日ほどです。のどの痛みは、口の中の病変によるもので、おもに口蓋垂(のどちんこ)の横の小さな水疱ですが、最初は小さな赤い点のような感じで、その後水疱・潰瘍を形成していきます。
治療は、ウイルス性疾患のため対症療法となります。発熱に対しては座薬を使用します。食欲の減少に関しては無理をせず、脱水にならないように水分をしっかりとらせてください。食欲に関しては2日ほどで戻ってくることが多いようです。ただ、水分もほとんどとれないときには脱水の予防のため点滴を行うこともあります。

アデノウイルス感染症

アデノウイルス感染症は、発熱・のどの痛み、眼の充血、目やになどの症状が出ます。熱の期間は、短くて2日ほど、長いときは1週間ほど続くこともありますが、平均4~5日ほどです。その間、頭痛、腹痛や下痢を伴うこともあります。また、眼の痛みや充血、目やにが出たりもします。特に夏には、プール後に症状が現れることから“ プール熱 ”とも呼ばれます。 潜伏期間は5~7日ほどで、主に唾液などの飛沫により感染しますが、涙・鼻水・便なども感染経路となります。
診断は咽頭ぬぐい液を用いた迅速診断キットでおこないます。
治療に関しては、ウイルスのため特効薬はなく、治療は対症療法を行います。高熱で痛みのある時などは、解熱鎮痛剤の内服や坐薬を使用したり、2次感染予防のため抗生剤の内服を行い、眼の痛みや赤みが強い時、眼脂が多い時には、細菌などの点眼薬を使用します。 唾液や、鼻水、涙によりうつりますので、兄弟や家族の間で、タオルや食器などの共有なるべくは避けて下さい。
主要症状消退後2日を経過するまで 出席停止となります。ただし、ウイルスの排泄は、眼・咽頭からは2週間、糞便へは3~4週間と長期間にわたります。

水疱瘡

水痘(水疱瘡)はウイルスは水痘-帯状疱疹ウイルスによる感染症です。帯状疱疹は、一旦水疱瘡が治っても潜伏して成人になってを発症するものです。
潜伏期約2~3週間です。感染経路は、ウイルスを含有する飛沫もしくは飛沫核による空気感染です。また、帯状疱疹の人からの接触感染や飛沫感染もあります。自然感染より生涯免疫を獲得します。つまり一回罹患したら一生再感染はありません。
症状は、小さな水疱を伴う発疹が全身に出現します。発熱が見られることもあり、また、発疹の前に熱が出ることもあります。その後水疱はかさぶたとなります。経過としては5~7日くらいです。水痘は麻疹や風疹、おたふくかぜと異なり、生後すぐより感染しますので注意が必要です。
治療は対症的に軟膏(フェノール亜鉛華軟膏、カチリ、2CL)、抗ウイルス剤のゾビラックス(アシクロビル)の内服を行います。ただ、ゾビラックスの内服に関しては、免疫機能が低下してる疾患にかかっている小児に対して基本的には行います。その他に必要な場合は基本的には下に書いたようになります。ただ、一般的には健常児には必要ないと言われていますが、外来診療の場においては、水痘=ゾビラックス内服となっています。
隔離期間は全部の水疱がかさぶたになるまでです。おたふくかぜと違って見た目で判断できますので、すべてかさぶたになっていれば、ご両親の判断で外出していただいて結構です。
ゾビラックス内服が必要な場合

  1. 12歳以上の全例
  2. アスピリン内服中
  3. ステロイドや免疫抑制剤を内服中
  4. 高熱など全身状態が悪い例
  5. 皮疹が猛烈にひどい子
  6. 全身麻酔の手術後1ヶ月以内
  7. 重症の内科疾患や外傷・熱傷治癒後1ヶ月以内
  8. 身内等に水痘によりひどい状態になった子がいて、親の心配が強い場合
  9. 家庭内に免疫抑制状態の人がいる場合
  10. 母親が妊娠中(あるいは妊娠の可能性あり)であり、かつ水痘未罹患である場合

おたふくかぜ

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)は、ムンプスウイルスによる病気で、唾液を通じての空気感染または、接触感染でうつります。
潜伏期間はおおよそ2~3週間です。不顕性感染(感染しているのに症状が出ない)も、約30%あります。
症状としては、耳下腺部(耳の下)が腫れます。片側から始まり、1~2日のうちに両側が腫れてきますが、約30%くらいが片側だけで終わります。腫れは、痛みがありますが、3日くらいでピークをむかえ、1週間から10日程度で消失します。発熱が見られることもあり、1~3日程度続きます。耳下腺部の痛みのため、食べ物がかみにくい、飲み込みにくいなどの症状が出ることもあります。また、耳下腺のみでなく、顎下腺や舌下腺(顎の下、顎と首の間にある)などの唾液腺が腫れることもあります。
診断は、耳の下の痛みと腫れで行いますが、確定診断には、血液検査での抗体検査を行います。
治療は、ウイルス性が原因であるため、治療は対症的に行います。発熱および痛みに対しては解熱鎮痛剤の内服や座薬を使用します。
出席停止期間に関しては、学校保健法では耳下腺の腫脹が消失するまでとなっています。期間的には1週間前後くらいと考えられます。
こんなとき注意:合併症として無菌性髄膜炎があります。おたふくかぜにかかっている間に、発熱、頭痛、嘔吐が見られるときはこの病気が考えられますの、早めに病院へかかってください。

溶連菌感染症

A群溶血連鎖球菌が原因で発症する病気で、発病は急激で,一般的には発熱、咽頭痛を訴え、頭痛や前頚部リンパ節の腫脹を伴うこともあります。また、舌乳頭が著明に肥大してイチゴ状の舌になったり、手のひら・足の裏(特に指先)では膜様に皮がむけることもあります。その他、かゆみを伴う発疹のみのことや、腹痛や嘔吐など胃腸炎の初期のような症状のこともあります。
飛沫感染や皮膚からの接触感染によってうつります。抗生剤の治療を受けると約2日で人にうつさなくなります。
潜伏期間は 2日~ 5日 です。
治療は感受性のある抗生剤を5日から10日間内服します。また、皮膚のかゆみが強いときには、かゆみ止めの内服を行ないます。
隔離期間(出校停止期間)は内服開始後2日間程です。
合併症として溶連菌の毒素によってみられる急性糸球体腎炎があります。治療をしていれば発症する可能性はほとんどありませんが(自分は経験ありません)、念のため当院では溶連菌感染後約2~3週間目に尿検査を行っております。

包茎

包茎については思春期ごろには多くが仮性包茎の状態になるといわれていますので、小児期は原則として経過観察で可能です。ただし、次のような場合の真性包茎に関しては治療が必要となります。

  1. 排尿時に包皮が風船状にふくらむ、排尿障害がある(尿線が細い、横に飛ぶ、散乱するなど)。
  2. 亀頭包皮炎を繰りかえす。
  3. 尿路感染症の既往や膀胱尿管逆流症がある。
  4. 小学生で特に症状はないが、包皮口が5円硬貨の穴より小さい、本人または親が気になり治療の希望がある。

<治療について>
多くの場合手術は必要なく、用手翻転法とステロイド軟膏外用を組み合わせた保存的治療となります。翻転の方法は、包皮を指で陰茎の根元の方向に引っ張ってめくるようにし、それと同時に、包皮口に少量の軟膏を塗ります。包皮は痛がらない程度に引っ張り、包皮口をなるべく広げるようにします。軟膏は内側にすり込むようにします。これを毎日1~2回行います。これにより大部分が、1ヶ月ほどで仮性包茎の状態となります。包皮と亀頭の癒着が部分的に残ることがありますが、包皮口が開いていれば放置可です。完全に翻転できるようになったら外用剤は中止しますが、翻転だけは当分の間、数日に1回は続けるようにします。ただし、翻転した包皮はそのままにしておかないで、その都度戻すようにします(亀頭をしめつけてむくみや痛みがでてくる事があるため)。治療中止(仮性包茎程度になれば中止可)後に包皮口が狭くなることがありますが、その場合は再度同じことを行います。
再度調べて直してみて「無理はしない」「これを読んで自分でするのには不安があると思ったら専門の先生(泌尿器科)に相談する」ことが重要だと個人的には思います。

春日井市柏井町3丁目120番地(春日井郵便局さん対面) TEL 0568-37-1751

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